Miniforge (Anaconda) のインストール
前回の Docker に引き続き、バイオインフォマティクスのツールの導入をサポートするために、Miniforge をインストールします。Miniforge は Anaconda の縮小版といった感じのソフトで、十分な機能を持ちつつ、高速で動くのが特徴です。
Miniforge とは何か
-- ChatGPT --
Miniforgeとは?
Miniforge(ミニフォージ)は、Python や機械学習、データサイエンスで使われる「仮想環境を管理するツール」です。
具体的には、「conda(コンダ)」というパッケージ管理ツールと、「最小限のライブラリ」だけが入っている軽量な環境を提供してくれます。
なぜ Miniforge を使うの?
✅ 1. 必要なものだけをインストールできる
・Anaconda(フル版)は最初から 200 以上のライブラリが入っている → 重い・不要なものも多い
・Miniforge は最小構成 → 必要なものだけあとでインストールできる → 軽くて早い!
(以下略)
----
個人的には前回の Docker よりも簡単に使うことができると考えており、必要なツールは基本的には Miniforge でインストールし、Miniforge でうまく動かないものだけ Docker で導入するのがおすすめです。
Miniforge のインストール
それでは、Miniforge のインストールを行います。現時点では、小規模な企業や、個人、研究室などでは無料で使用できます。
以下のコマンドで、インストーラーをダウンロードしてください。
# Apple silicon Mac (M4 など) の場合
curl -LO https://github.com/conda-forge/miniforge/releases/latest/download/Miniforge3-MacOSX-arm64.sh
# Intel Mac
curl -LO https://github.com/conda-forge/miniforge/releases/latest/download/Miniforge3-MacOSX-x86_64.sh
# Linux (Ubuntu など)
curl -LO https://github.com/conda-forge/miniforge/releases/latest/download/Miniforge3-Linux-x86_64.sh
ダウンロードできたら、以下のコマンドでインストールできます。
bash Miniforge3-MacOSX-arm64.sh
# 「Permission denied」と表示された場合は、先に「chmod 777 Miniforge3-MacOSX-arm64.sh」を実行してください。
コマンドを実行したあとは、しばらく Enter を押したり、何か聞かれるので yes と入力したりすると、インストールが完了します。デフォルトで base を起動するかと聞かれた場合、基本的には yes と答えておいてください。
ターミナルが入力画面に戻ったら、一度閉じてもう一度開きます。ターミナルの先頭に (base) と書かれていたら成功です (デフォルトで base を起動しない設定にした場合は、以下に示すコマンドで手動で起動してください)。
これでインストールは完了です。インストーラーはもう使わないので、邪魔だったら削除してしまって大丈夫です。
試しに使ってみる
インストールできたら、実際に使ってみましょう。もし (base) がターミナルの先頭についていなかったら、「mamba activate」を実行してください (Miniforge では、デフォルトで mamba という conda の高速版のようなコマンドが使えます)。以下のコマンドで、仮想環境を作成して、アクティベートしましょう。
mamba create -n bio-info -y
# => Empty environment created at prefix: /.../miniforge3/envs/bio-info
mamba activate bio-info
# (base) が (bio-info) に変わっていたら成功 (出力は何もなし)
# 試しに python があるか聞いてみる
which python
# => python not found
activate のコマンドの後に、ターミナルの先頭の文字が (base) から (bio-info) に変わっていたら成功です。試しに python のパスを聞いてみると、python がないことがわかります。これは、bio-info という仮想環境をアクティベートしたことで、デフォルトの base 環境の python にアクセスできなくなっているためです (Miniforge 以外で python を使用していた場合は、そちらのパスが表示されます)。
最後に、この仮想環境に、次世代シークエンスのマッピングツールである、STAR をインストールしてみましょう。以下のコマンドを実行してください。
# STAR があるか聞いてみる
which STAR
# => STAR not found
# インストール
mamba install bioconda::star -y
# STAR があるか聞いてみる
which STAR
# => /.../miniforge3/envs/bio-info/bin/STAR
これで、STAR を使えるようになっています。かなり簡単なので、Miniforge でインストールできるツールは、なるべくこの方法でインストールしましょう。
今回も、マッピングなどの具体的な方法は解説しません。最後に、仮想環境を (base) に戻して終わります (ターミナルを再起動すれば勝手に戻りますが...)。
mamba deactivate
# (base) に戻る
which STAR
# => STAR not found
which python
# => /.../miniforge3/bin/python
今回は以上です。
注意: base 環境について
Miniforge では、いらなくなった仮想環境は削除することができます。仮想環境を削除することで、その環境内のすべてのツールをまとめて捨てることができるので、ツールが増えすぎて依存関係が複雑になってしまった場合や、ストレージを確保したくなった場合などにも、楽に削除できるという利点があります。
しかし、base の環境は、基本的に削除できないため、リセットするには Miniforge 自体を再インストールする必要があります。インストール自体は難しくありませんが、必要な仮想環境や設定がすべてまとめてリセットされてしますので、あまりおすすめできません。
そのため、研究室などの解析用コンピュータであれば base を使用しても構いませんが、個人のパソコンなどで解析を行う場合、他の用途で使用する場合のことも考えて、base 環境では極力何もインストールしないことをおすすめします。